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(2004.06.03更新)

カナダのチャイルドケア(保育事情)(第1回)

 UBC チャイルド ケア サービスセンター

 カナダでは、州ごとに保育・幼児教育制度が異なります。今回から2回、カナダの中でも日本に一番近い、ブリティッシュコロンビア州の保育事情についてご紹介します。

歴史と背景
  カナダのブリティッシュコロンビア州では70%の子どもが親以外によるケア(保育)を受けています。また、そのうちライセンスを受けた機関によるケア(保育)は15%です。残りの85%の子どもについては、例え希望する機関でなくても、とりあえず頼らざるを得ない状況にあります。ですから、認可を受けている機関は、日本と同様に常に待機者を抱えている状況です。

UBC チャイルドケア・サービスセンター
 ブリティッシュコロンビア大学(以下、「UBC」)の広大なキャンパス内にある「UBC チャイルドケア・サービスセンター」は、1967年に設立されました。この施設は、もともと親の自主的な活動から始まりましたが、1991年6月にUBCの住宅担当部署などが運営することになり、1997年8月、チャイルドスタディセンターとして施設での就学前プログラムとして公式に位置づけられました。
 UBCチャイルドケア・サービスセンターは、いくつものかわいい「お家」のような小さな建物が集まっています(右上の図)。現在では、17のプログラムが実施されており、4ヶ月児から12歳児まで幅広い年齢層の子どもたちが過ごしています。それぞれの施設は、州政府による認証を受けており、常勤のスタッフは全員、アーリーチャイルドフッドエデュケーション(早期幼児教育課程)を修了した資格保有者です。
 現在、政府からの補助は少ないのですが、UBCから財政面でのサポートを受けているため、人員基準や設備基準は、すべて州の基準を上回っています。また、スタッフのトレーニングにおいても州の基準を上回っており、良質のサービスを提供しています。
 そのため、保育機関が不足しているバンクーバーの中でもとりわけ評判がよく、待機者が絶えることはありません。応募してから入園までにおおよそ1〜2年は待たなくてはならないほどの人気ぶりです。(ただし、園は、すでに在籍している子どもの進級やUBCの学生、職員、卒業生など大学関係者の子どもが優先されます。)
 このような背景から、建築をはじめとする様々な分野、また、各国から視察に訪れています。また、カレッジ(日本の短期大学と専門学校の両方の機能を併せ持っています)等で「保育」や「幼児教育」を専攻している生徒たちの多くが、ここでの実習を希望するなど、BC州のモデル的な存在となっています。

保育方針
  UBCチャイルドケア・サービスセンターは、プレイベイスドセオリ(遊びを基本とした保育方針)を実践しています。指導者は、子どもが遊んでいる様子を観察し、それぞれの子どもの興味や発達状況に合わせたおもちゃを与えるなど、子どもにあった環境を与えるようにしています。
 ですから、それぞれの建物では、子どもたちが「ままごと」や「お姫様ごっこ」、「砂遊び」など好きな遊びに興じたり、絵本をよんでもらったりしてすごしています。
 また、ソーシャルスキルの向上にも重点を置いており、他の子どもたちと接するなかで、他人との付き合い方を学び、また、人と接するなかで何をどのように感じるかといったことを大切にしています。

親との関わり
 もともと親たちの自立運営から始まったデイケアセンターということもあり、できるだけ親がデイケアに関わることを奨励しています。現在では、それもなかなか難しい状況になってきましたが、それでも、親たちに対してデイケアの活動に好きなだけ参加するよう呼びかけています。
 ですから、都合がよいときだけ立ち寄る親や定期的に開園時間内にデイケアに参加する親など様々な形態で関わりをもっています。


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