(2003.11.05更新)
介護サービスの第三者評価の動向
■ 第三者評価の推進
厚生労働省の見解によれば、介護保険スタート後、利用者は自ら事業者を選択して介護サービスを利用できるようになったものの、利用者が適切な選択をする際、まだ必要かつ十分な情報が提供されているとはいえない状況であると見ている。
このような状況の中、規制改革推進3ヵ年計画において、介護サービス事業者について順次第三者評価の推進方策を講ずることが閣議決定(平成15年3月28日)された。
また、高齢者介護研究会報告書(平成15年6月26日)においてもグループホームについて実施している外部評価の仕組みを他のサービスにも早期に導入することが必要であると指摘している。
このようなことから、老健局振興課で15年度においては、「介護保険サービスの質の評価に関する調査研究事業」として、大森 彌(千葉大学法経学部教授)委員長のもと調査研究委員会を9月に立ち上げたところである。
その概要は、調査委員会では(1)評価の実施方法、(2)評価の実施体制、(3)評価基準(評価項目、判定基準)、(4)費用負担のあり方、(5)評価結果の公表、(6)人材の養成などを調査研究する。
また、居宅介護支援、医療関係を除く以下のような7つの部会(1.訪問介護・訪問入浴介護部会、2.福祉用具貸与部会、3.通所介護部会、4.特定施設入所者生活介護部会、5.老人福祉施設部会、6.介護老人保健施設部会、7.評価者養成部会)を置き、部会では(1)各サービスの評価基準(評価項目、判定基準)、(2)評価者養成研修カリキュラム等案について研究をし、16年3月末までに報告書を取り纏める。
■社会・援護局の動き
一方、社会・援護局でも、社会福祉法78条などに関係し、老健局に先行して平成13年5月にはから「福祉サービスの第三者評価事業の実施要領について(指針)」が示されている。これを受け、各都道府県や政令指定市などでは、独自で「利用者本位の福祉システム」の構築をめざし、第三者評価機関のあり方や調査員養成研修が試行されている。ここでは、福祉サービス全体として、高齢者介護サービスのほか、障害者サービス、児童サービスの第三者評価も検討されている。
振興課によると、援護局の取り組みとは別のものと考えているようである。ただ、結果として大きく異なるものが出てくるとは考えておらず、概ね同じような範囲で収まると見ている。また、介護事業者の関心が強いため、研究の過程は公開せず、どこかの次点で中間報告として発表するとのことである。漏れ聞くところによると、冒頭の調査委員会でも、第三者評価の在り方で議論が異なり、基本的な評価そのものの意見集約が難しいようなことである。ただ、サービス事業者の自己評価があり、加えて利用者の評価があり、そのあとでの第三者評価であるとの動向が考えられている。
今後の方向が注視されるところであるが、各サービス事業者にとっては、各都道府県で試行されている自己評価項目や判断基準を参考に、厳しい目で自らの評価を行いながら質の向上を図り、来るべきその時期を杞憂なく迎える準備が必要であろう。
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