生涯学習フェスティバル
(第27回 大泉村社会教育研究大会)記念講演(H10.3.11更新)
去る2月28日(土)標記フェスティバルにおいて、当研究所の代表が、「成熟した暮らしを求めて −老前人生のすすめ−」をテーマに、地域住民約200人の聴衆に対して記念講演をさせていただきましたので、今月はその一部をご紹介させていただきます。
人生の80年と言われますが、長い人生のどの部分が延びたのでしょうか?
乳児から幼年期を見ても、「這う」「歩む」時期が早くなっても遅くなることはなく、小学校から大学までの青年期をとっても修学年数は基本的に変わることなく、体力的には栄養状態が良く身体だけが早く大人になっているのが現状です。また、定年までの壮年期を見ても定年が早まりこそすれ、就業期間も長くなることはほとんどありません。寿命の延びは、ライフサイクルが各段階毎に平均的に長くなったのではなく、ひとえに老年期が長くなっただけなのです。それ故に、長くなった老後を豊かで実りあるものにするためにも、青年期や壮年期から老前計画をしっかり立てておかなければなりません。
不幸にして自分が介護者になったり、被介護者になったとしても、地域の人たちの支援や地域の社会資源を有効に組み合わせることにより住み慣れた環境で過ごすことは十分可能です。そのためには、よく言われる「会社人間」から「社会人間」としてのステージを地域のなかで作っておかなければなりません。つまり、心身共に健康な時から地域社会に積極的にデビューし、それなりの役割を演じ続けることにより、地域から認知を受け無償の支援を受けることになるのです。つまりギブ&テイクです。まず、ギブありきです。
ご婦人方は、子育てを通じて地域に早くからデビューし、子供会、PTA、婦人会など地域活動に参加しています。長じても、各種カルチャースクールはご婦人方が多く、社会参加そのものは下地が出来ています。
一方、男性は会社という属性がなくなりますと、後ろ盾を失い、対等な関係で地域に参加することがどうも苦手なようです。その結果、毎日が日曜日状態になると、ご婦人方の後を追ったり、あるいは行動を束縛するようになるのです。このような男性の濡れ落ち葉状態がご婦人のストレスとなり、高齢者の離婚が増えるのです。
高齢期になって自立をするためにも、壮年期から地域に参画し、地域でのネットワークづくりを心がけておく必要があります。定年後、急にはふさわしいステージは出てきません。
何も特に難しいことから始める必要はありません。たとえば、たまたま自治会の役員になった時や何かの世話役に当たった時、いやいや引き受けるのではなく、同じ事なら積極的にことに望むという姿勢で続ければ、自ずと道は開けて来ると思います。
私自身の経験から見ましても、肩書きの通用しない無償の地域活動は、まじめにやれば休日などの時間を費やされ、仕事との両立が大変難しいのですが、自分の置かれている立場や状況を周りの人に理解していただくことで、少しは心の余裕をもって活動することが出来るのです。また、その活動で出会う人たちとのつながりが、その地域でのステージの広さに繋がっていくのです。
そのような行動の積み重ねが、古くからの住民と新しい住民との交流を進め、本当の地域づくりになっていくのではないかと思います。
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