暮らしのなかの医療を見つめよう(H9.10.9更新)
9月に厚生省から発表された平成7年度の国民医療費は総額約27兆円(内老人医療費は8.5兆円)となっている。 年々1兆円以上増え続ける国民医療費の伸び(4.5%)は国民所得の伸び(1.8%)を上回り、国民所得に占める国民医療費の割合は初めて7%台に乗った。
10月1日付けの日経新聞の記事によると、9月1日に導入された患者の窓口負担の増額によって、受診抑制の効果が現れたと報じている。
日経新聞が独自で調査した60の医療機関のうち約2/3で外来患者が減少しており、特に70歳以上の高齢者や自己負担が2割になった「健康保険の本人」の受診が減っている。また、約1/3の医療機関が患者の薬剤負担を考え、ゾロ品の処方に切り替えたとある。特に、高齢者においては今まで月に1,020円(外来)の負担が1回毎に500円+薬剤費と倍以上の負担になっている。
たしかに、一時的には受診抑制がはたらくであろうが、命にかかわるだけに金銭的な抑制にも限度がある。
- 一般市民レベルにおいては、目前の現象に対応しているものの、
- ・負担と給付など、そもそも医療保険の仕組みをよく理解していない
- ・病院と診療所の区別もついていない
- ・医薬分業の仕組みもわからない
- ・医療費通知の役割も理解していない 等々
- 現象の背景を理解していないことが多く、根本的に正しい受診行動が起こるとは考えにくい。
今日のリサイクルをはじめとする環境問題同様、小学校や中学校の教育のなかで、医療の仕組みや日常生活での関わりなどを身近な社会保障問題としてとらえ、国民一人ひとりの行動がどう国策に関係するかを気長く啓発する必要があるのではないか。医療との関わりは、水やゴミと同様に生まれてから死ぬまで日常的であるにもかかわらず、市民レベルでの行動に至るほど身近な問題としてとらえられていない。そのために、安易な受診行動に出ているのではないかと感じる。
まず、国民一人ひとりが生活のなかで医療を見つめ直すことが先決ではないのか。
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