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うわさのケアマネさん(6)

非営利特定活動法人  京都コリアン生活センター
エルファ ケアマネジャー 朴 三紀(パク サンギ)さん


−まず、在日コリアン高齢者のルーツと現状にもとづいた介護事業に取り組まれることになった「きっかけ」は何ですか?


 ここ(京都市)南区は、在日の方が多いという特性があります。そこで、同胞高齢者に穏やかな晩年を提供しようと1999年に京都コリアンセンター「エルファ」が設立されました。
 そして、以前から食生活や言葉など文化の面で同胞高齢者にあったサービスの提供が必要だと感じていたことから、朝鮮語や朝鮮文化に精通したヘルパーの育成に取り組み、2000年の介護保険制度の施行に伴って2000年4月から訪問介護事業、翌年3月からデイサービスを開始しました。

−朴さんの仕事の範囲を教えてください。

 私は、ケアマネ(及び管理責任者)として50件を担当しています。そのうち実際にサービスを利用しているのは35件です。
 普通は、ケアマネさんの活動エリアはだいたい決まっていますが、私の場合は、市内の他の地域のケアマネさんから「利用者の方と言葉が通じない」ということで、問い合わせがあるので、京都市全域を回っています。

−ケアマネとして、いつも心がけていることは何ですか。

 単純なことなのですが、「客観性」です。人と人とのかかわりの中では、どうしても私情を挟みがちですので、常に「客観性」をもって判断するよう心がけています。
 でも、「それが実践できているか」と問われれば・・・、どうでしょうか。自信はありあませんが、それは常に心がけ、努力しています あと、自分が将来、「ここにお世話になりたい」と思えるようなサービスを提供するように心がけています。

−今までの経験のなかから、何か困難事例があれば教えてください。

 私の担当する方のなかには、寝たきりなど介護度が高い方がいなくて、比較的ADLが高い、お元気な方が多く、「同胞と余生を過ごしたい」とご自分から申請されたケースが多いのです。ですから、サービスが安定していて、他で聞くような困難事例はありません。

−エルファさんでは、デイサービスも行われていますが、やはり民族性に立脚したサービスなのですか。

 そうですね。例えば、日本ではみんなで「赤とんぼ」などの童謡を歌うように、ここでは「アリラン」や「プサン港に帰れ」を歌います。また、食事には、コリアン食品などを取り入れ、「キムチ」は毎食だされます。
 でも、私たちは、サービスを在日の方に限定していません。結果として同胞の方が多いのですが、「自分と仲の良いお友達が来ているから利用したい」とご一緒にここのデイサービスに来られている日本人も方もいらっしゃいます

−ケアマネとしての理想像や到達点についてどのようにお考えですか。


  ケアマネとして仕事をしているなかで、「ここまで」という到達点はないと思っています。
 もちろん、日々の仕事なかで、「今日は、○○○しよう」という小さな目的はありますが、最終的な目標というものはなく、エンドレスな仕事だと思います。

−ケアマネとして、目指していることについてお聞かせ下さい。

  ケアマネとして高齢者の方とお会いし、介護保険という専門的な部分を担当することになりますが、生活の中では、それぞれの方が介護保険の範囲外でも困っている部分がおありになるので、そこを含めてサポートできたらと思っています。 もちろん、介護保険外のサービスをコーディネートすることは私一人の力では限界があります。ですから、地域のネットワークなどの交流を通して出会った方たちの協力を得ながら取り組んでいます。

−これから、この分野で求められる人材とはどんな方だと思われますか。

 また、アドバイスがあればお願いします。 どなたでもケアマネの資格を持った時点でその資質を得ていると思っていますので、「こういう人が良い」というものはないです。
  この仕事は、よく人から、「すごく大変でしょう?」と聞かれますが、仕事で大変でないものはないと思っています。ですから、大変な仕事だとは思いますが、やりがいを深く感じています。大変だけれど、大変じゃない。それは、みなさん同じだと思います。

−最後に、介護保険制度についてどう思われますか。

 一人ひとりの考え方は違うので、反対の方からは叱られるかもしれませんが、私は介護保険制度が好きです。(笑) 定期的にプランを見直す必要があるなど型にはまっているようで、大変で、最初は否定的でした。
 でも、仕事は持っていきようなのだと思うのです。今では、「介護保険ってすごいな」って思います −ありがとうございました。

  特定非営利活動法人 
●京都コリアン生活センター エルファ ●

  URL:http://www.h2.dion.ne.jp/~lfa/
  住 所:〒601-8007 京都市南区東九条北河原町5
  電 話: 075-693-2550

  「エルファ」とは、朝鮮語でうれしいとき、楽しいときにでる感嘆符なのだそうです。 異国で苦労を重ねた同胞高齢者に歴史と現状にあった、きめ細かな介護事業の提供を通して穏やかな晩年をすごしてもらおうと、訪問介護事業、デイサービス事業(3カ所)、ヘルパー養成事業などを行っています。 また、介護事業以外にも、手話講座などの障害者支援活動を始め、子育て支援活動、異文化交流活動、歴史保存活動なども積極的に展開されています。
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