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−まず、ケアマネとして一番心がけていることは何ですか?
便利だからという理由ではなく、利用者の必要性を重視し、ご本人に必要なサービスを利用してもらうよう説明しています。例えば、ヘルパーをお手伝いさんと勘違いされる方がいらっしゃるのですが、なぜそのサービスが必要なのかをキチンとご家族も含めてご説明します。
また、ご家族の意向が違うときがあっても、ご本人のためのサービスですから、ご本人にとって必要なサービスを選び、ご家族にその必要性をわかっていただけるように説明しています。
−ケアマネを3年以上経験されたなかで、困難事例はありましたか?
Aさん(女性・介護度4)は、リウマチのため自分で動くことできません。また、痴呆があり、ご飯を食べること以外の排泄・入浴・買い物などについては、すべてヘルプがないとできません。しかし、ご家族は、仕事があって協力できない状況なのです。
この方に十分なサービスを提供するためには、(支給限度額の)2倍以上の金額が必要で、介護度が5にあがっても十分ではありません。しかも、ご家族が支給限度額を超えた分について実費負担ができないとなると、ケアマネにとっては限界です。私たちは、結局、支給限度額の範囲内で必要なサービスを入れ、調整するしかないのです。
― このように必要なサービスを組み込むと支給限度額を超えるケースは、多く見られますか?
様々ですが、介護度が3くらいまでの方であれば、どうにか範囲内でカバーできます。でも、介護度が4や5となるとご家族の協力がないとまかなえない状況です。また、たとえ介護度が1から3であっても、排泄のお世話が入ったら大変です。それに、配食サービスなど介護保険外のサービスが入ると、さらに自己負担が増えてしまいます。
―介護度4、5は、支給限度額を上げないと在宅ではやっていけないということですね。
介護度が4や5になったら在宅では大変です。ですから、みんなが施設志向になっていくのもの仕方ないと思います。まだ、ご家族の協力があれば、どうにかやっていけますけが、オムツ、着替え、食事の用意など・・協力していただける人がいなければ大変です。
例えば、Bさん(介護度4)は、102歳で、必要なサービスを組み入れると、介護度を5に上げたとしても範囲内でおさまりません。子どもさんは多く、近所に住んでいらっしゃいますが、80歳前後と高齢のため、「私たちが介護を受けたいくらい・・・」と、とても親御さんの介護は無理な状況です。
−このことは、ケアマネさんにとって、普遍的な問題としてみなさんが抱えているのでしょうか?
ケアマネが必要なことをキチンとアセスメントしているかによるのではないでしょうか。要は、ケアマネが「御用聞き」になっていないか、ご本人やご家族が気づいていない問題がある場合、それをキチンと導き出しているのか、ということです。キチンとアセスメントをやっているのか、というのが大切です。
−「御用聞き」にならざるを得ないケアマネさんは多いと思われますか。
他の事業所を見たことがないのでわかりませんが、「ならざるを得ない」というのは間違っていると思います。それをちゃんとやっていくために、ケアマネがいるのですから、必要なものをキチンと把握したうえでアセスメントする必要があると思います。
−サービス利用者は、一割の自己負担分を払うことはできているのですか?
人にもよりますが、あるご夫婦の場合、収入は2人で月5万円程度の年金です。そのうち家賃が2万円、残りが食費などの生活費です。そのため、(必要とされるサービスの)自己負担分を払うことができません。お金が払えないといわれたら、私たちはどうすることもできません。結局、週1回のデイしか無理と言われると、それ以上すすめることはできません。
そういうケースは多くはありませんが・・・でも、やはりお金となると、「じゃあ、ここでやめておきます」とサービスの利用をあきらめる方は少なくありません。特に女性は年金が少ない方が多く、子どもさんの援助をうけている方が多いですから。
−うまくいったケースを教えてください。
90歳近くで、病院から依頼があったCさん(介護度4)は、独居で身寄りがいません。退院されるのですが、脊椎カリエスで歩けないため、在宅サービスを受けたいということでした。そのため、まず、退院に先立ち、生活に必要な最小限の福祉用具を借り、ご本人の許可を得てご自宅に運び込んで在宅生活をスタートできるようにしました。さらに、デイサービス、ヘルパー、訪問リハ、訪問看護などのプランを立てました。
Cさんは、非常に前向きな方で、頑張られた結果、徐々に歩けるようになりました。最初は往診をお願いしていたのですが、ご自分で外に出たいということで今は、ご自分で通院されるほどです。
これは、状態が向上し、 ADLも向上した良い例です。今では、Cさんは、スイミングに行こうかな?とおっしゃるくらいで、多分、脊椎カリエスも改善されていると思います。
−最後に、今後の問題点は、どのようにお考えですか?
支給限度額が十分でないため、十分なサービスが組めないということをアピールしていく必要があります。そして、利用者の負担額も高い・・・だから、施設に頼まざるを得ない状況になっているのです。そういうことを介護支援専門員が声をあげていく必要があると思います。
−支給限度額上限の6割や7割までしか使っていない方がいますが・・。
いえ、(「使っていない」のではなく)「使えない」のです。介護度4や5などの重度の人は極めて少なく、大多数は要支援、介護度1や2です。そのような方にとっては、支給限度額は十分高いので、支給額の6割も使えば十分ですから、利用率が低いのは当然なのです。
−ありがとうございました。
● 在宅介護支援センター すずしろ園 ●
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