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−今、西口さんのように、ケアマネとして独立されている方は、何人くらいいらっしゃるのですか?
はっきりとは分からないのですが、私が調べた範囲では、あまり多くはないようです。でも、最近では、そういう人で集まろう、という動きはあるようですよ。
−現在持っていらっしゃるケースはどのくらいですか?
今は、50ほど持っています。自分ができる範囲であれば、人数の制限はありません。でも、業務量は多いですよ。毎月訪問し、事業者にプランを持って行き了解を得て・・・。(大阪)府の指導では、ファックスや郵送でなく、直接訪問してプランについて説明し、了解を得なければならないのです。そして、毎月、訪問確認簿に印鑑をもらい、同意書に署名をもらい、居宅サービス計画書などを説明し・・・。1人あたりの訪問に1時間ほどかかります。毎月10日が締め切りなので、月初めから10日までは、国保連への保険請求の作業で身動きできません。だから、実質20日の間で活動することになるので、大変ですね。
− 印象に残ったケースを教えてください。
一人暮らしの男性Aさん(70歳代後半、介護度3)のケースです。大腸がんが見つかり、手術前に医師から告知を受けたのです。 医師としては、相当大がかりな手術になるし、抗がん剤を使用することになるので本人の協力が必要ということで告知されたとのことでした。そこで、私は、告知した以上は、ドクターだけでなく、看護師や臨床心理士などによる精神的なケアをしてほしいと頼みました。
Aさんは、もともと奥さまと息子さんの3人暮らしでした。しかし、奥さんが数年前にがんで亡くなり、息子さんは、その後結婚したものの家族を置いたまま音信不通となってしまいました。そのため、Aさんには身寄りがなく、精神的な面で支えてくれる人がいなかったのです。
そういう寂しさもあって、Aさんは、私やヘルパーさんをとても頼っていらして・・・。病院の医療相談室の先生からは、私にすごく依存していると指摘されてしまいました。というのも、私は携帯電話で連絡がとれるようにしていたので、Aさんは、朝も夜も週末も関係なく私に連絡するようになっていたのです。今思えば、最初に「いつでも連絡してください。」と言ってしまったことが問題だったと思います。
−結局、その方は、西口さんからお断りしたのですか。
当時、私は56人ほど受け持っていたので、結局、時間や曜日に関係なく頻繁に連絡をくださるAさんへの対応ができなくなったのです。そのうち、Aさんは、ヘルパーさんに「困ったときに対応してくれない」と私の不満をこぼすようになったそうです。それで、こんなことでは十分満足していただける対応ができないと思い、紹介くださったC事業所にこのケースをお返ししました。
今は、その事業所の男性のケアマネさんが担当されているそうですが、いまだに私に連絡されるときがあります。結局、私の善意でやったこと(連絡がいつでも取れるにようにしたこと)がマイナスになってしまったと感じます。C事業所のケアマネさんは、(きまった時間内しか)連絡とれないという当たり前のことが不満となってしまう・・・。
おそらく、Aさんはとても寂しかったのです。Aさんが必要とされていたのは、インフォーマルなケアだったと思います。
−介護保険の問題を感じるケースはありましたか?
近くに身寄りのないBさんのケースです。Bさんは、夫と死別し、子どもさんもいらっしゃらなかったので、一人暮らしでした。私は、Bさんにホームヘルプサービスの利用を勧めたのですが、長年、人の手を借りず一人で生活してきたので、人の世話になりたくないと頑なに拒否されました。ですから、私は、何か困ったことがあったら連絡するように話し、不定期ながらも訪問をしつつ、安否確認をしていました。
私は、Bさんのように実際にサービスを利用されない場合、地域の支援をうけることなく、置き去りにされていくことに対して不安を抱いています。でも、ケアマネは、受持ちを何十人と抱えているとサービス利用者への日常業務に追われ、実際にサービスを利用していない方への支援がおろそかになるのが現状です。
そしたある日、Bさんは入院することになりました。入院から3カ月が過ぎ、退院を勧められましたが、ADLが低下して在宅生活はとても無理な状態でした。それで、遠方にいる甥からの相談で他病院や施設を探し、転院しました。そうして2度ほど転院されたのですが、その後は、甥からの連絡はなく、私も面会に行くことがないままでした。そんななか、しばらくして面会に行ってみると、Bさんはもう入院してないとのことで、消息が分からなくなっていました。
結局、市の介護保険課に問い合わせるとBさんは1年以上前にすでに亡くなっていたことが分かり、ケアマネジャーとして私は何だったのだと虚しさだけが心に残ったのです。
Bさんのことを気にとめていながらも、甥からの連絡がないなかで、どうやって私は情報を得るのでしょうか。
介護保険制度では、利用者が在宅でサービスを利用しなければ、ケアマネジャーには居宅介護支援費が支払われません。しかし、一度、利用者と介護支援事業者との間に契約がかわされると、利用者が契約を解消しない限り、サービスを利用しないからと言って、相談や介護認定更新申請等を支援しないわけにもいかないのが現状です。
このような問題点を皆が共通に認識する必要があると思います。 契約することにより在宅でサービスを利用する、しないに関わらず、委託料・支援料という形で、報酬を支払われる等の改正を強く望んでいます。
●有限会社 富士プランシステム●
住 所:〒586-0092 河内長野市南貴望ヶ丘30番1-313
電話:072-50-1700
西口さんは、看護師や高校講師、看護学校教員などを経て、介護保険制度導入とともに、(有)富士プランシステムを創立され、現在はケアマネジャーして活躍されています。
また、介護支援専門員の試験や訪問看護師時代の経験から医療制度だけでなく、福祉制度の知識が必要であると感じ、一方で、大学で福祉を学ばれています。
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