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今月の福祉人(8)

社会福祉法人四恩学院
ふれ愛の館 しおん 施設長補佐
社会福祉士・介護支援専門員
行天(ぎょうてん)邦善さん


〇介護保険サービスを受けていない方の実態を把握されていたのですね。

 結局、私たちが実態把握をして分かるのは、介護が必要でありながら介護認定を受けていない人ではなく、元気で外にでている人だけでした。というのも、要支援以上に認定されると、その方は、ケアマネジャーが担当されるからです。でも、本当は、サービスを受ける段階になってケアマネジャーが担当するのであって、認定がおりてもサービスが必要でない人にはケアマネは必要ないのです。それを行政に言っているのですが、それでも「認定を受けた人は介護が必要だから認定をうけている。だから、ケアマネの担当だ」というのです。全国的にも、最初はそういう見解だったのですが、最近では認定を受けてもサービスを使わず計画を立てられないような人に対しては、在宅介護支援センターがかかわっていくという見方もでてきました。

 ですから、私たちが実際に関わっているのは、認定を受けたけれど介護保険のサービスが使えない人です。例えば事業者から断られて契約を結べない人や行政に対して訴訟を起こしている人は、なかなか業者は契約しません。そういうときに、誰がかかわるか・・・というと、在宅介護支援センターが関わることになります。

○一般的に、行政と支援センターとどちらに連絡されるのでしょう。
 もちろん、行政じゃないとできないこと、行政だからできないこと、などいろいろあります。でも、支援センターのほうがフットワークが軽いので、何かあったらこちらに電話がかかってきます。警察、区役所などにもっていったら困るんじゃないか・・という問題もありますが、そういう問題に対しては、私たちは柔軟に対応できることがあります。例えば、独居高齢者の緊急の場合に備えてカギを預かるということは、警察や消防署などではできませんよね。消防は、本当に倒れているとわかったら堂々と入ることができますが、様子がわからないときはドアをぶち破って入ることはできません。2〜3日姿が見えないとか・・・。そういう場合、私たちだったら、カギをお預かりすることができるのです。もちろん、ご家族や自治会長など地域の方などと相談のうえです。こんな風に、私たちがやっていることは、イレギュラーなことが多いと思います。でも、私たちは、必要とされることをやろうとしているのです。実際は責任問題など中でもめることもあります。でも、地域に施設がある以上、私たちには、必ず役割があると思います。

〇地域にあっても、地域から孤立している施設は多いですよね。

 施設は、地域にありながらも孤立してしまいがちです。以前は、老後は、自然の多い環境で緑に囲まれて・・・・ということが高齢者にとってよいと受け取られていました。その後、在宅サービスが浸透してきたので、「こんな僻地にあったら在宅生活もできない」ということになった。今では、たくさんの施設が街中にできているじゃないですか。そうすれば、地域でもそれなりの役割が必ずありますし、スタッフたちもある意味では、地域のためにいるのだと思います。地域と交流する必要がなければ、施設が街中にある必要ないのではないでしょうか?

○子どもを接点に地域と関わることができる、ということはありますか?
 そうですね。やはり、子供がそばにいるのは大きいと思います。高齢者施設だけだったらこれほど交流はなかったと思いますし、高齢者も元気は出ないと思います。世代間交流は、この施設内で日常的にあります。例えば、午前中は子育て中の母親が来て交流しますし、午後は学童保育が35名くらいいます。
 特に赤ちゃんは、すごい力を持っています。2歳くらいまでが一番かわいい頃でしょうか。認知症のおばあちゃんでも、しっかり抱いて世話をします。デイサービスに来ているおばあちゃんが、「ちょっと遊びに行きます」といって世話をしに来るのですが、赤ちゃんを抱いた瞬間に表情がパーッと変わるのです。こんな風に、赤ちゃんにもちゃんと役割があるのです。また、家ではそんなに役に立っていると思われていないおばあちゃんでも、そうやって世話をするということは、サービス提供者として役に立っているのです。

  (→次号へ続く)

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