|
−一般の住宅をバリアフリーにせず、そのまま利用されるのは大変ではないですか。
私は、アンチ・バリアフリーなんです。(笑)ですから、利用者を中心にしている分、スタッフに負担がかかります。でも、その点については理解してもらえるよう、スタッフとは話し合っています。
高齢者の場合は、例え日中はバリアフリーの環境で生活したとしても、自宅に帰るとバリアだらけです。ですから、バリアフリーのなかですごして帰宅するとかえって転倒するようになるのです。
それに、ここでは、バリアフリーでなくても職員の目が十分に行き届きますし、利用者同士の助け合いもありますから、職員が1から10まで全てやる必要はないのです。
−ここは、「居心地のよさ」と職員のみなさんの人間性が特徴ですね。
一般的に、デイサービスなどを始めるときには、最初の設備投資に1500万円くらいかけるのですが、ここは40万くらいしかかかっていません。その他の必要なものもリサイクルショップと提携して仕入れてもらったりしました。送迎用の車もいろいろ調査して、中古を調達しました。新規オープンの場合、どうしてもお金をかけてしまいますが、ここでは初期投資を減らして、利用者の方の実費利用料の低減と普段の介護と職員の報酬に当てているのです。
結局、職員を大切にすることが利用者に還元される、そういう流れを作りたかったのです。設備にお金をかけることもできましたが、利用者や職員に負担がかかるよりは、ソフトが大切だと思うのです。壁を塗り替えたからといって、利用者やスタッフの快適性が高まることはないですから。
−認知症の利用者による問題行動などはありませんか。
認知症については、軽度の方から最重度の方までいます。「問題行動」については、それをどう捉えるかということです。その行動を「問題」として捉えるから、「問題行動」になると思うのです。
そういえば、病院からは「寝たきり」と聞いていた方が、ここに来ると「本当は、私は歩けるんだよ」と言って歩かれたことがあります。なぜ歩けなかったのか・・・その方は、病院ではあえて「歩ける」といわなかったのだそうです。
−これから介護報酬が厳しくなりそうですが、どう対応されますか?
介護予防については、熊谷市から地域介護・福祉空間整備等交付金の関係で話がきています。でも、「うちは器械はいれませんよ。いつも畳のうえで筋力トレーニングをしているので、3000万円もいらないです。」と言っています。
「畳の上で筋トレ」といいましたが、そもそも畳の上にいるだけで筋トレになっているのです。最初は自分で起き上がれない利用者も、周りにいる人が起き上がっているのをみると自然と触発されて、なんとか起き上がろうと努力するようになるんです。
−ここでの取り組みは、ビジネスモデルとしての普遍性はありますか?
あります。現在、2カ所やっていますが、どちらもうまく回っています。「小規模」というところがポイントだと思います。定員が20人を超えると良いケアができなくなります。
でも、ビジネスとして利益を出して経営しないと、最終的には利用者に負担が行きます。ですから、利益がでる仕組みをつくって、利用者も満足し、職員も満足し、・・・・という流れを作りたいと思っています。
−今後のビジョンを聞かせてください。
いつも「スピード重視」です。考えるのを止めたら終わりだと思っていますから、いつも考えています。
ここには、公的な資金は全く入っていません。私は、税金がなくてもここまでできるということを証明したいのです。
将来的なビジョンについては、法改正しだいですが、こういう形が地域に増えていけば、日本の高齢者全体の生活の質が上がると思っています。ですから、そのためのモデルを作っていきたいと思います。といっても、私には全国的に展開したいという気はありません。こういう施設を地域につくって、モデルとしてみんながやりたいと思ってくれたら、と思います。食事や文化などを考えると、こういう事業は地元の人がやったほうがいいと思っています。
−ありがとうございました。
|
藤田 英明 さん
◆ 熊谷西デイサービスセンター 銀座編 ◆
〒360-0032 埼玉県熊谷市銀座4-9-5
電話:048-529-7639 FAX:048-529-7720
|
|