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今月の福祉人(2)

非営利特定活動法人 アクティブネットワーク代表理事
関西STS連絡会 遠藤 準司 さん


−ボランティアとして、外出支援サービスを始められたきっかけは何ですか。

 介護保険前は、まだ資本力はなかったので人的な派遣のみで、高齢者や障害者を対象にボランティアで買い物のお手伝いや通院のお手伝いなどをやっていました。一方、STSについては、5〜6年かけてずっと準備していて、ようやく昨年から取り組めるようになりました。今では、もっぱら車を使った送迎が多くなっています。また、それ以外にも、1泊ツアー(年1回)や日帰ツアーを数回行っています。

- STSに関わるようになったいきさつをお聞かせ下さい。
 関わるようになったのは、1997年くらいからです。当時は、社会福祉協議会に個人ボランティアとして登録していました。依頼は、圧倒的に外出支援が多く、しかも市営住宅や府営住宅の4階や5階に住んでおられる方が下に降りたらガイドヘルパーがいるけれどエレベーターがないので1階まで降りるのを支援する、というケースが多かったのです。
 移動送迎は、東京で1969年にスタートし、NPOやボランティアによる地道な活動が続いていたのですが、2000年の介護保険でクローズアップされるようになりました。特に、訪問介護事業所が身体介助の範ちゅうで移動送迎を始めるようになり、送迎用の車を何台も所有するところが出てきたのです。そこから移動送迎が全国的に注目され始めたと思います。
 過疎地域などでは、それまでは、街の病院に行くためには、何万円も支払ってタクシーを利用しなくてはならす、結局は入院せざるをえなかった方も、ヘルパーの車で病院へ通院できるようになるなど、地域の交通を担うまでに活動が広がっていきました。厚生労働省は、制度発足してから一貫して介護保険制度のなかから運送の部分は支払えないという姿勢でしたが、やはり事業所がやむにやまれず始めた・・というケースが多いかったようです。
 もう1つの流れは、タクシー会社が訪問介護事業者の指定を取るケースです。タクシードライバーがヘルパーの2級を修得するのですが、身体介護になりますからビジネス的にみてもタクシーよりも儲かります。ただ、保険者である市町村からは、介護保険から拠出するのはおかしいのではないか、という声がありましたし、厚生労働省も移動だけの訪問介護事業所を認めない、・・そういう流れもありました。
 もともと移動は生活していくうえでの基本的な権利ですから、利用者の立場としては介護保険でも、STS法のような新たな法律をつくり税金で賄ってもどちらでもいいわけです。ヨーロッパやアメリカなどでは、最低限の移動を保障するために税金を投入していますが、日本ではまだまだその段階ではありません。明らかなのは、都会、過疎地に関わらず、国は、これだけ移動困難者、移動制約者が存在する現状について考えないといけないということなのです。

- どうして日本は欧米と比べて遅れているのですか。

 まだ、実態が把握されていないからでしょう。そういう移動困難者の実態に関する公的な統計データがないために、まず議論にのぼらない。難しいのは、介護保険で要介護認定を受けた方がすべて移動制約者かというとそうではない点です。ですから、移動困難を基準とした新たな「ものさし」が必要なのです。そして、まずは移動困難だけに焦点をあて、調査などで調べていくことが大切です。そのほかにも住居の問題もありますし、単にSTSの問題だけでなく、アクセスという部分で様々な点を改善する必要があります。

- たしかに、移動にはそれほど焦点を当てられてこなかった気がします。
 私たちは、収益事業としてやっていませんから、事業の運営が大変なのは事実です。でも、出かけると、利用者の皆さんの表情がぱっとかわるのです。その表情をみると、「続けていかないといけないな」と思いますし、それがあるから今まで続けてこられたのだと思います。                     

(⇒ 次号へ続く・・・)

遠藤 準司(えんどうじゅんじ)

サラリーマン生活に終止符を打ち、福祉施設でボランティアとしての経験を積んだ後、茨木市社会福祉協議会に個人登録して、昼はボランティア、夜は仕事と二重の生活を続ける。
 1997 年からアクティブネットワークの活動にかかわるとともに、現在は、STサービス普及のため積極的に活動している。

●非営利特定活動法人アクティブネットワーク
  電話:072-636-9810 fax:072-636-9811
●関西STS連絡会(http://www.e-sora.net/k-sts/giji24.html
  〒556-0012 大阪市浪速区敷津東3-6-10
  電話/FAX:06-4396-9189

 

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