
『"CLUB LOVELY VOLUME TWO" 発売記念!SAWA+NAOインタビュー』
"CLUB LOVELY VOLUME TWO"
98.12.16 in store from Mercury Music Entertainment PHCR-1946 ¥2548(with tax)
ライナー:田中'19'裕之(LOUD編集長) コミック『エロバンビの冒険』総集編収録
NAO NAKAMURA+SAWA+UIROHというトリプルDJ体制でマンスリー・パーティーを行っている<CLUB LOVELY>が、MIX CDをDJの名ではなく、パーティー名で売って
いくというスタイルを打ち出した前作『Spin Anniversary CLUB LOVELY Happy
Classics』から1年を待たずして早くも第2作目を完成させた。リリースは12月16
日(マーキュリー)だが、NAO NAKAMURAとSAWAに今回のCDの魅力についてたっぷり語ってもらった。
★まず、今回もSAWAさんがMIXを手掛けてますが、なんでNAOさんじゃなかったんですか?
N(NAO NAKAMURA)「なんとなく流れで」
S(SAWA)「気がついたらそういうことに」
★NAOさんがクリエイターという部分を強調したいからというわけではないんですか?
N「機材もっているから使わないと損じゃない。でもウチにある機材は使わなかったけどね(笑)」
S「はははは(笑)。自宅の機材使わなかったの?」
N「使えなかったのよ!みんながいけないの。いろんな人がウチに来てワタシのMacちゃんをファックしてったからすねちゃったの。Macの調子がすごい悪くってー。機械、キラァ〜イ(笑)」
S「(笑)なんのために機材揃えたの」
★カレン・ラミレスの曲をリミックスしたのはレコード会社の意向なんですか?
N「レコード会社的にはJ-WAVEとかでかかっているものが入っている方がいいっていうか、あんまり話題になっていないものよりは、いま流行っているものを使って面白いものを作ってみましたって方が僕としてもいいわけじゃん。J-WAVEじゃ僕のヴァージョンは絶対かからないけど(笑)。エヴリシング・バット・ザ・ガールみたいなヤツをすごい速くしてるんだけど、のろいヤツ(=オリジナル)だってステキだよ。歌がすごい上手なの」
★リミックスを手掛けたトラウザー・エンスージアスツも彼女の声をほめてましたよ。
N「この人、アカペラだけでもずーと聴いてられるんだもん。ほんとに上手。歌なのにビートがあるように聴かせられるの。このままでもいいじゃないかと思っちゃった」
★NAOさんがカレン・ラミレスをリミックスしたので、SAWAさんがカレン・ラミレスをMIXしたってワケではないんですか?
N「見えない力に支配されていたのかもよ」
S「そうかも。っていうか僕は好きなものを選んだらこうなったんだけど」
★ポップな範囲でプログレッシヴ色を最大限出していこうというのが今回のテーマだったんですか?
S「そうですね。前回のMIX CDはあれはあれで完璧だと思うんだけど、敢えて足りないところを挙げるとすると、プログレッシヴ・ハウスっぽいものが入ってないなっていうのがあって。あと、馬鹿みたいにむちゃくちゃ明るかったでしょ」
★ええ。
S「<LOVELY>って、ただ明るいだけじゃなくてちょっと泣きの入ったノリもあるじゃないですか。ウルウル胸キュンおセンチ系みたいな。そういうものが前回は欠けていたから、今度やる時はそういうのをフィーチュアしたかったんですよ。それと、前回はタイトル通り“クラシックス”ということで95年から97年の間のハッピー系の名曲を集めたアルバムだったから、次のアルバムでは<LOVELY>の過去じゃなくて現在を伝えられるようなものを作りたいと思っていたんですよ」
★なるほど。
S「だから初めと終わりは前回の形式を踏襲していて。つかみはファンキーなディスコっぽい感じで、最後はいわゆるアッパーな歌ものっていう。で、前回は中盤は典型的なハードバッグっていう感じだったから、今回はそのパートをプログレッシヴっぽい感じにしました。それに時期的にもちょうど良かったというか、去年くらいからトラウザー・エンスージアスツとかプログレッシヴぽいポップなヴォーカルものがいろいろ出てきて。その流れは今年の<LOVELY>的には非常に重要だったんですよ。例えば前からウェイ・アウト・ウエストとかスラッカーとか好きなんだけど、それだけでMIX CDを作るのはちょっとハードすぎるかなと思ってたんで」
★<LOVELY>テイストのプログレッシヴ・ハウスということですね。
N「トラウザー・エンスージアスツってプログレッシヴ・ハウスなの?」
★プログレッシヴ・ハウスっていうかトランスの要素をポップ・ミュージックの中に取り入れたような感じですかね。
N「ポップ・ゴア、違うか」
S「ポップ・トランスって感じ?」
★本人達は「130以下のヴォーカルものを136、7ぐらいのトラックにフィットするように作る」と言ってます。それに、本人はチージーなの嫌いらしいですよ(笑)。
S「はははは(笑)」
N「どこがぁー(笑)。ああいうのをチージーって言わずになんていうのよ」
★僕に言わないで下さい(笑)。でも、こういう形でウェイ・アウト・ウエストなどが提示されると、プログレッシヴ・ハウスの入門編としてはいいかもしれない。
S「そうですね。あと注目すべきリミキサーは全部入っていると思いません?」
★ジョン・フレミングが抜けているんじゃないんですか?
S「(笑)ジョン・フレミングは今回は入らないだろうと思ってたから。でもトール・ポールにウェイ・アウト・ウエストにシケインにトラウザー・エンスージアスツに、パーペチュアル・モーション。あとアンタイディとかSASH!とか」
N「あとNAO NAKAMURAも入ってるー(笑)」
S「それにエディ・フィンガーズ。結構好きな人全員入ってる」
★網羅できたということですね。
S「これは素晴らしい!自分で自分をほめてあげたい!(笑)」
★今回、NAOさんは選曲にノータッチだったんですか?
N「見えない力が働いて……はははは(笑)」
★この選曲の中でNAOさんが普段よくかける曲ってありますか?
N「ナリケン(ナリン&ケーン)でしょ、カレン・ラミレスでしょ。ディープ・シー・ナインはすごいかけたいんだけど、いつかけていいのかすごい困る曲(笑)」
★SAWAさんディープ・シー・ナインってかけたことありましたっけ? 覚えにないんですけど。
S「このインタヴューが出るころにはいっぱいかけてます」
N「別に普段かけてない曲が入っていてもいいじゃん」
S「居直るヤツ(笑)」
★★ナリン&ケーンはNAOさんがよくかけてますけど、こっちが思っているほど盛り上がらないじゃないですか。そういう状況をどう思います?
N「盛り上がらないけど、でも好きな人が好きだったらいいんじゃない。だってさ、ナリケンとかおウチで聴いてもひとつも面白くない音じゃない。やっぱりクラブのデッカイ音で聴かないとその良さが絶対わかんないもん。やっぱりこういう曲を聴いてクラブでワァーッと盛り上がるっていうことはハッピー系というムーヴメントの前にはなかったわけじゃない。で、そういう動きがひと通り浸透したところでもう一度とらえ直してみるっていうか」
S「それはDJのもっていき方だと思う。例えば、瞬間的にワッと盛り上げるのがあったら、その一方でグイッとハマるようなもっていき方もあるでしょ」
★空間的な音の楽しみ方?
S「そうそう。空間系の音にずーっとハマっていく楽しさもあると思うんです」
★それはDJとしてお客さんを盛り上げてやろうというところから違った段階に進んでいったということですか?
S「確かに単に盛り上がればいいやという仕事のやり方からは卒業したのかもしれない。それはもう、やろうと思えばいつでも出来る自信があるし。でも基本的にはお客さんを盛り上げなくてはいけないわけだし、ああ楽しかったって思って帰ってもらいたいから、自分のアーティスティックなエゴを押しつけるというわけではなくて」
N「もちろんワァーッっていう盛り上げ方はアリなんだけど、手もあがらない声も出さないんだけど、ずーっとガンガン踊り続けているっていう盛り上げ方もあるわけじゃない」
S「そういう感じでずーっと引っ張っていって、でも最後は歌モノでシメって感じで。他のパーティーは分からないけど、<LOVELY>ってそういう空間系の音でも退かない感じになりつつあるからすごくやりがいがあるっていうか。そもそももう<LOVELY>のときは気合いの入り方が違うから」
★それに、ここ最近の<CLUB LOVELY>は違うスタイルのゲストDJが入ってもお客さんはそれなりに踊ってくれてますよね。
S「それは別にいろんなことにチャレンジしようと思ってスタイルの違うDJを入れているわけではなくて、もうこの3人がいるんだから自分達と重なる人を入れるよりも違うタイプの人を入れた方が面白いかな、っていう気持ちなんだけど」
★確かにそうですね。UIROH君を入れたことによってすごい変わってきていると思いますよ。
S「いま三者三様になっていてすごくいいと思う」
N「最近2番目にまわすことが多いんだもん」
S「じゃあ最後がいいわけ? 以前はNAKAMURAさんがずっと最後を務めていたんだけど、真ん中をやりたいっていう話があったんで、今は努めて僕が最後をやるようにしているんです」
N「いいー、ナイス・チームワーク」
S「はははは(笑)。でも、僕が思うに2番目にまわす方が楽なんですよ。時間帯的に何をやっても盛り上がるから。ところが最後は自分のプレイ次第でお客さんの残り方が決まるわけだから、逆にやりがいがあるんですよ」
★そういう最近の心境って、今回のCDには反映されてるんですか?
S「なんかパーティの話ばっかになっちゃったけど、結局パーティとMIX CDは別モノじゃないですか。やっぱりMIX CDはそれ単独で商品としての良さが出なければいけないし、前回のVol.1が売れて今回Vol.2が出るということを考えると、前回の流れを踏まえて作らないといけない。そしてそれをやりつつ新しい局面を見せてあげるっていうことが大切だから」
N「でも大衆性も兼ね備えているから」
S「そうそう、そういう点ですっごく良くできてると思う。単純に超キラキラ系CD!っていう楽しみ方もできるから」
★最後にNAO&SAWAのコンビネーションの強さを証明してもらいましょう。
S「でもこの間スタジオでマスタリングしているときにMERCURYの人に『SAWAさんとNAOさんって仲悪いんですか?』って言われたんですけど(笑)」
N「はははは(笑)」
S「あまりにも会話があっさりしてるから。でもお互いあまり干渉し合わないのが長続きの秘訣だから(笑)」
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